成功する住まいの売却法

一戸建てやマンションなどの住まいを高く売る方法はあるでしょうか?

「そんな上手い話がある訳ないよね。」と思われるかもしれませんが、実は高く売る方法も、逆に安くなってしまう売り方もあります。

高く売れたケース、安くなってしまったケース、実際にそれぞれを注意深く見てみると、売れる価格に差がつく理由が分かってきます。ここでは、住まいを高く売る方法をご説明します。

住まいの価格に差がつく理由

 

住まいの価格に差がつく最大の理由は、価値が客観的に測れないためです。

例えば土地の場合、路線価や公示地価など1㎡あたりの価格の目安が公表されていても、実際には、土地の広さ・形、間口の向き・長さ、接面道路の幅や交通量、土地の傾斜や高低差、隣接地や周辺の状況など、様々な要素が複合的に影響し、正確な価値を決めることができません。

また、不動産は、利用する人の目的・状況・価値観によってその価値が変わります。

 

高台の土地は、陽当りや見晴らしに優れていると高評価を受けることもあれば、小さいお子さんのいるご家族やご年配の方にとっては、上り下りが大変な物件として評価されます。

このように不動産、特に住まいでは、正しい価格というものを決めることはできず、そのため売り方によって価格が大きく変わります。

売り方において価格に影響が大きいのは、以下の2つの要素です。

(1) 購入検討者の数

(2) 物件の検討しやすさ

この2点について、もう少し詳しく見てみましょう。

(1) 購入検討者の数

 

住まいの成約価格には確率が影響しています。

このような例を想像してみて下さい。

  • 購入検討者のうち50%が物件見学を行う

  • 見学者のうち20%が購入を希望する

  • 購入しても良いと考える金額は、相場以下、相場通り、相場以上が3分の1ずつ

最初の購入検討者が見学に来て、相場以上の価格での購入を希望することもあれば、たくさん見学者がいても購入を希望する人がいない、又は相場以下の購入希望ばかり、ということもあり得ます。

しかし、とにかくたくさん購入検討者がいれば、それだけ高い価格の購入希望を獲得できる可能性は高まります。

高く売れるか、安くなってしまうかの差の一つは、この購入検討者の数です。

具体的には、販売価格が相場から著しくズレていたり、仲介会社が広告や紹介先を限定したりすると、購入検討者が少なくなります。

(2) 物件の検討しやすさ

 

ところが、たくさんの購入検討者や見学者がいても、購入希望者が全然でてこない、ということもあります。

この場合、販売価格の設定や広告などは概ねしっかりできている、と考えて良いと思います。では、たくさんの購入検討者・見学者がいるのに、なぜ購入希望が獲得できないかと言えば、購入検討を進められない原因があるからです。

例えば、部屋中にあふれるほど荷物があったり、内装や設備がひどく汚れたり傷んだりしている場合、実際には、購入後に片付けたり、ハウスクリーニングや補修をすれば済むだけの話だとしても、見学者は物件の本来の価値を理解できず、検討を進めることができません。

この、物件の価値の分かりやすさ、購入者の検討しやすさが、高く売れるか安く売れるかの、もう一つの違いです。

​高く売却するために必要なこと

したがって、住まいを高く売るためには、以下の二つを行う必要があります。

  • 購入検討者を増やすこと

  • 物件を検討しやすくすること

購入検討者を増やす方法

 

住まいに対する感性や生活についての考え方は、人ごとに異なります。その違いは想像以上に大きく、マンションや戸建てなど住宅の販売経験を何年積んでも、全く新しい考え方を持ったお客様との出会いがあります。

物件にどれほどの価値を見出すかは、人によって異なります。そのため、多くの人が検討してくれればしてくれるほど、より高く評価する人が現れる可能性が増しますし、検討者が少なければ、低い金額でしか評価されないということも起こります。

また、他に真剣に購入を検討している人がいる、という事実は、価格の妥当性を表すので、購入検討者にとっては、より積極的に評価する根拠になります。

このため、できるだけ多くの人に購入検討してもらうことが重要です。

購入者検討者の数を増やすには、以下の二つのアプローチがあります。

(1) より多くの買主候補に売却情報を伝える

(2) 物件を魅力的なものにする

(1) より多くの買主候補に売却情報を伝える

 

不動産の売却情報は、2つのルートで購入検討者に届きます。

  • 物件広告

  • 物件紹介

一つ目の物件広告は、SUUMOなどの不動産サイトやチラシなどの広告のこと、二つ目の物件紹介は、不動産会社がストックしている購入検討顧客に、不動産会社が物件を紹介することです。

物件広告は有効な情報ルートですが、不動産サイトやチラシをまめにチェックしている人以外には、情報が届かない可能性があります。

不動産を購入する人は、過去にどこかの不動産会社に問い合わせをしていることが多く、物件紹介では、その人に対して不動産会社が直接物件の情報を届けるので、非常に有効な手法になります。

(2) 物件を魅力的なものにする方法

 

不動産には、立地や広さ、築年数などの変えられない要素と、内装・外装や庭の状態など変えられる要素の2つがあります。

物件の魅力を高めるためには、変えられる要素を改善することが必要です。これについては、次の項目と内容が重なりますので、次の項目で詳しくご説明します。

物件を検討しやすくする方法

 

中古物件を購入した、または購入を検討された方は思い当たることもあるかと思いますが、多くの中古物件は、購入者の目線から見ると、非常に購入検討がしにくいものです。

​購入検討が難しい理由としては、大きく3点を挙げることができます。

  • 比較できる物件が少ない

  • 物件について分からないことが多い

  • ​他人が住んでいる

(1) 比較できる物件が少ない

同時期に売却活動を行っている物件は少なく、一般的に、十分な比較検討ができるほどの物件数はありません。また、物件ごとに、立地・広さ・間取り・階数・状態・周辺環境・価格などが異なり、しかも詳細は実際に見学して見てみないと分かりません。

(2) 物件についても分からないことが多い

内装や外装の状態を全て細かく確認することは難しく、設備の劣化具合も分かりません。汚れや傷みに関して、ハウスクリーニングできれいになるのか、リフォームが必要なのか?いくらかかるのか?というようなことは、購入検討の終盤にならないと分からないのが一般的です。

(3) 他人の居住空間

居住中の場合は、家具や荷物がありますし、空き家の場合であっても、床や壁の汚れ方や傷み方など他人が居住した跡が残っています。

購入検討者は、他人の居住の跡があると、自分の新生活のイメージを具体的に持つことが難しくなります。

商品化の重要性

このように、中古物件は、かなり意識的に対応をしないと、購入検討者には価値が分かりにくい状態になっています。そして、非常に高額なものでもあるので、購入検討者は、分かりにくい部分を不安に感じ、検討から外すか、価格を下げることでリスクを中和しようとします。

したがって、購入検討している人により高い価格を付けてもらうためには、不安点、つまり分かりにくいところを先回りして解消しておくことが重要です。

 

​このことを商品化と呼びます。

商品化の方法

 

中古物件の場合、大きな問題は、設備や内装の状態です。何年も使われているわけで、汚れもあれば傷みもあります。隅から隅まで細かく確認することは現実には難しいですし、ハウスクリーニングをしたらどれくらい綺麗になるのか?、給湯器はあと何年くらい保つのか?、どんなリフォームができて、それにはいくらかかるのか?、など実際に住んでみたりやってみたりしないと分からないことも多くあります。

家具や荷物が置いてあれば、それらに隠れて確認できない部分も多くなりますし、住んでいる人の生活感や好みが前面に出て、自分の生活をイメージするのも難しくなります。

マンションで商品として最も分かりやすいのは、既に出来上がった状態の新築マンションでしょう。

通常、新築マンションは建築中にいわゆる「青田売り」をされますから、まだ無いものを買うという難しさがあります。

 

例えば、

  • 実際の間取りではどれくらい広く感じるのか?

  • エントランスなどの共用部はどんな雰囲気なのか?

  • 部屋からの眺望はどうなのか?

  • 駐車場や駐輪場は使いやすいのか?

というような点です。

一方、設備や内装の状態については、すべて新品ですから心配は要りません。

建築が完成していれば、いま挙げた青田売りの時に分からないことは、ほとんど分かりますから、商品として分からない点、不安な点は非常に少なくなり、理想的に商品化された状態、と言えます。

ですから、商品化とは、いかに新築時に近づけるか?、ということになります。

具体的には、以下のことを行います。

(1) ハウスクリーニングの実施
(2) 荷物を減らす
(3) 生活感を薄める
(4) 傷んだ箇所・劣化した設備の補修・更新

なお、ここで注意したいのは、物件を良く見せるのではなく、悪く見えているところを減らす姿勢で行う、ということです。

どんなにセンスがあるとしても、センスを使って物件を良く見せよう、とはしない方がよいでしょう。人の好みは本当に様々ですし、見学者はマンションを見に来るのであって、あなたの生活を見にくる訳ではないからです。

また、実際よりも良く見せようとしてしまうと、ほとんどの見学者はそのことに気付きますし、それだけで、その物件の購入を消極的に捉えてしまいます。

(1) ハウスクリーニングの実施

 

キッチン・バス・トイレの水回りとフローリングはクリーニングを行うのが必須です。費用対効果が高いので、ここは専門業者に依頼してしっかり行いましょう。


業者は、仲介会社に依頼すれば紹介してくれます。既に知っているところがなければ、紹介してもらうのが良いでしょう。

目安の費用は、専有面積㎡あたり、1,000〜1,500円(税抜)ほどです。例えばマンション(75㎡)の場合には、82,500円〜123,750円(税込)くらいになります。

なお、通常、壁クロスはクリーニングの対象外か軽い拭き掃除程度のため、あまりきれいになりません。

(2) 荷物を減らす

 

荷物が多いと、どうしても生活感が出やすく、購入検討者の購入意欲を減退させてしまいます。また、部屋が狭く見えてしまう、という強いマイナス効果があります。

ですから、服やバッグ、本やその他の荷物で、備え付けの収納や家具に収まりきらない分は、その荷物を減らす必要があります。

家が売れて引っ越しする時にはかなり荷物を整理することになるでしょうから、この段階で荷物を断捨離するのも良いですし、整理に少し時間がかかりそうであれば、思い切ってトランクルームに預けてしまいましょう。

家に置いて良い荷物は、備え付けの収納と収納家具に収まる分だけです。


これで部屋はかなりすっきりとした印象になりますし、見学者は広い範囲を確認できるため、安心感も増します。


また、売主様が丁寧に暮らしているように感じると、見学者は、住戸自体も丁寧に扱われていて問題が少ないだろう、と思う傾向があります。

(3) 生活感を薄める

 

荷物が減ると、かなり生活感は減ってきますが、まだ各所に細かく残っています。

生活しているわけですから、完全に消すことはできませんが、改善することは可能です。

具体的には、以下の2つを行います。

  • できるだけものをしまう

  • 古いものは新しいものに替える

例えば、歯ブラシや歯磨き粉、髭剃り、耳かき、爪切りなど体に関係するものは、洗面台の周りや棚の上に置かず、棚の中や引き出しにしまいます。

テーブルクロスや各種のマット、椅子に敷いた座布団などファブリック類もできるだけ片付けましょう。もし使用するのであれば、古びてきたものは処分して新しいものにしてください。スリッパも同様です。

カーテンも傷み具合を確認してください。金額的に買い直すのは難しいと思いますが、破れや傷みのひどいもの、黒ずんでしまったレースカーテンなどは、交換か撤去をします。

また、椅子の背もたれに服を掛けるのもやめましょう。

水アカのついたものや毛先が広がったブラシなどは印象が良くないので、バスやトイレの清掃道具やイス・桶なども同様に片付けるか新しくしてください。

キッチンや洗濯機の周りに置いている洗剤等については、パッケージや容器が古くなったものは処分して、新しいものに替えましょう。

(4) 傷んだ箇所・劣化した設備の補修・更新

 

築年数の経過した家では、傷んだ箇所や劣化した設備が多く、その全てを直すことは現実的ではありません。

かかる費用と効果のバランスを考える必要はありますが、他人が見て「あれっ」と感じるような箇所については、原則お金をかけて是正した方が良いでしょう。

よく見かけるのは壁の穴や網入りガラスの割れです。

家の内部の壁は、石膏ボードを貼って作っているため、ものが強くあたると穴が開きます。この穴は、生活上は特に支障が無いので、放置されていることが多いのですが、売却にあたっては印象が悪いので、補修をお勧めしています。

また、網の入ったガラスは、直射日光が当たるところでは、ガラスと網の膨張率の違いのため、数年でガラス部分にひびが入ります。

こちらもやむを得ないものですが、印象という意味では良くないので、補修しておくのが良いでしょう。

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