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物件を賃借人に売却する場合の契約条件

賃貸中の物件を賃借人に売却する売買では、契約条件が通常の売買とは異なる項目があります。

◆賃貸借契約の消滅

買主が賃借人の場合、購入に伴い賃貸借契約が自動的に消滅します。

そこで、期間や金銭のやり取りで齟齬が出ないように、以下のような特約を設けるのが一般的です。


<売買契約書 特約例>

  • 売主・買主は、本物件について売主・買主間で締結している○○年○月○日付建物賃貸借契約が第○条の所有権移転と同時に終了することを確認しました。なお、買主はその前日までの建物賃借料を売主に支払うものとします。

  • 売主は、買主に対し、前項の建物賃貸借契約終了と同時に、買主が売主に対して預託している敷金○○円を返還するものとします。但し、売主・買主は、敷金の返還と本契約第○条の代金支払いの一部とを相殺できるものとします。

◆付帯設備表の不交付・物件状況報告書の交付

室内の設備については、売主が現状を確認できず、また、買主が十分理解しているはずということもあり、付帯設備表は不交付にするのが一般的です。


一方、物件状況報告書については、売主しか知り得ないこともあり得るため、ほとんど「不明」という記載になるとしても一応売主が書いて交付することが望ましいと考えられます。


<売買契約書 特約例>

  • 本契約締結日現在、買主が本物件を賃貸中のため、売主は、本契約第○条第○項の定めに拘わらず、「付帯設備表」の作成・交付を行わないものとします。

◆契約不適合責任免責(瑕疵担保免責)について

従来、瑕疵担保責任と言われていた責任は、2020年4月の民法改正により、契約不適合責任に変更されました。


賃借人に物件を売却する場合、物件の設備については、この契約不適合責任を免責とするのが一般的です(土地や建物の構造部分等については、免責としないのが一般的です)。


ただし、以下の場合には、免責とすることはできません。

  1. 売主が宅建業者で、買主が非宅建業者の場合

  2. 売主が法人等(事業者)で、買主が消費者の場合

1の場合、宅地建物取引業法の定めにより、2年よりも責任期間を短くすることはできません。


2の場合、消費者契約法により、売主事業者の契約不適合責任による損害賠償責任の全部又は一部を免除する特約は、事業者に対する追完請求権又は代金減額請求権がある場合を除き無効となる、とされています。


なお、契約不適合責任の期間については、1年とするのが標準的です。個人間での契約不適合責任の期間は3か月とされることが多く、また宅建業者の責任期間は最短2年となっているため、その中間程度として設定されています。

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